プログラミング能力は本当に必要か?

  • 2022年12月6日
  • 2023年6月16日
  • Notes

多くの分野でITに関する知識が求められる中で、プログラミング能力を身につけることも、その中のひとつ。
少しでも出来ると、ちょっとした作業なのに時間が掛かっていた作業を簡略化することだって出来るわけですから、作業時間を減らすにはもってこいです。
一方で、わざわざ自分でプログラミングしなくても、ほぼ自動的にコンテンツを制作するという流れが出来つつある側面もあります。

画像生成AIであるStable Diffusionのように、キーワードを与えるだけで一瞬にしてコンテンツをつくり上げるサービスや、Automation360のようにプログラミングの知識がなくてもRPAを制作できるサービスというものも増えてきており、人間が一から考えて何かをつくるより速く、しかも数分で仕上げるという分野が加速度的に拡がってきており、メディアアーティストとして知られる落合 陽一氏によると、2045年に迎えると言われていたシンギュラリティが2024件に来るという情報が最新であることが示されました。

シンギュラリティとは、技術的特異点の意味で、AIが人間の能力を超えて、人間の生活に大きな変化をもたらすことを指している概念のことをいいます。
つまり、ホワイトカラーの人がやっていた仕事をAIが代わりにやるようになるわけですが、そのような世界を迎えるにあたって、果たしてプログラミング能力というのは必要なんでしょうか?
AIがつくってくれるならそれでよくね?と思う方もいらっしゃるでしょうから、必要である人とない人など、以下2点が分かるように書いていこうと思います。

■こういう状況でもプログラミングスクールに通って学ぶべき人
■プログラミング能力が必要な人と不要な人の違い

いるとも、いらないとも言える

AIは情報を集約することが得意で、人間が数年かけて仕上げるものも数分で仕上げてしまいます。
これは論文制作やWeb制作、アートの世界にも影響が及ぶほどで、あらゆるコンテンツが数分で仕上がり、しかも作成する度にアップデートされていくという流れで、脅威的なスピードで進化していきます。
何にしても人間が数年かけて仕上げるものを数分でつくってしまうわけで、しかも、それが実行する度にアップデートされる。
1時間後には最新の情報として論文が改編されるということもありえるわけで、このスピードではとても人間は歯が立ちません。

ただ、Webの素材コンテンツのようにソースにひと手間加えてエッセンスを付け加えたりはできるわけで、人間のひと手間を加えたいという方はプログラミングを学んだ方がいいでしょうし、生成されたものをそのまま使いたいということであれば教養レベルでよいかと思っています。
つまり、どこまでやりたいかによって学びがいるとも、いらないとも言えるようになるので、人それぞれの判断で考えていけばよいかと考えます。
では、人間はこういうことから何をしていけるでしょうか?

情報の解像度を高める

AIは決まったことをやることに対しての作業効率が格段に高い一方で、信ぴょう性とそもそもの概念を知っておく必要があります。
「なぜこのような回答にいたったのか」
「なぜこのようなものをつくったのか」
どんな前提をもって、どんか概念をもってひとつの作品を作り上げたのかを理解するということが非常に重要となります。
つまり、完成にいたるまでの解像度を高めるということになるわけですが、これをスピーディーに出来る人材がこれからを担っていくことになるでしょう。
「なぜ?」の追求がこれからの社会をさらに面白くしていくことになります。

プログラミングに当てはめると?

この考えをプログラミングに当てはめるとこうなります。
「どういう仕様で、どういう背景を持ってプログラムがつくられたのか」

プログラムの翻訳家ともいいましょうか。
それを出来るようになるためには、プログラミングの知識が必要になりますし、スピード感をもって翻訳できる立場になると、コンサルとして必要とされる場面も多々出てくるので、いまより重要になると確信しています。
ただ、そこを深めるのであれば、もっと別の分野で成長していきたいと考える方も当然いるわけです
プログラミングのことを考えなくてよくなる分、もっと違うことに注力したいと思う方もいらっしゃるでしょう。
そういう場合は、プログラミングに関する学びを最小限にして、注力したい分野を深めるということをやっていけると、自分のやりたいことで生きていける可能性がより高まっていきますね。

深めたいことを追求すれば、必ず貢献できる

シンギュラリティ後の時代に起きることとして、「何をしたらいいか分からなくなる人が増える」と言われています。
いままで培ってきたことで、何年も再考を積み重ね、ようやく何かを築き上げたと思ったものがAIによってものの数分でつくられてしまうようになるわけですから、いま置かれている立場からからの目線で見れば当然とも言えます。
しかし、本当にそうでしょうか。

AIが進歩したとしても、世の中には享受できない人、もしくは享受しようにも仕切れない人たちもいます。
ITが普及してきたときも同じで、なかなかそれを活かしきれず、アナログ仕事をやり続け、生産性を上げらず悩んでいる一言たちもいるわけで、そういう人たちに向けて仕事が出来たから貢献感をもてたというケースもあります。
これは私も体感した1人で、出向型のSEとしてやっていても貢献感を感じられずにモヤモヤしていた中で、私のモチベーションを上げてくれたのは、ITを活かしきれずに困っている人たちでした。
「この人たちのために何とかしたい!」
そう思える人が目の前にいたからこそ、好奇心と向上心が芽生えるようになったのです。

世の中には、あなたの力を必要とする人が必ずいます。
真剣に培ってきたことであればなおさらで、その力を発揮することで多くの感動を生むこともあるでしょう。
新たな世界をつくれるのは人間だけです。
AIに利用されることなく、共存する世界で充実した毎日をすごしていけるといいなと思います

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