プログラミングが出来るようになるということは、エンジニアになるということであり、エンジニアとして仕事を得るということは、コミュニケーション能力が非常に重要になります。
こちらの記事(プログラミングを始めるといい年齢1選)でも書いたのですが、プログラミングの技術力を磨くのと同じくらいコミュニケーション能力を高めることは重要で「どんなシステムが必要なのか」「どんな機能が欲しいのか」を確認しあいながら作業をすることで、意思のミスマッチを最小限にすることが出来るようになります。
私の場合は、プロトタイプ(試作品)をつくりながら進めていく手法を取ることが多いのですが、そのときもヒヤリングは毎回しっかりとやるようにしています。
では、「しっかりやる」というのは、どのようにするといいのか。
今日はそのヒントを3つお伝えしたいと思います。
雑談力はいらない
コミュニケーション能力を高めるには何が必要かを考えたときに、よく出てくるキーワードが”雑談力”。
雑談出来るようになれば、いろんな情報を引き出せるようになるということも確かに一理あるのですが、「どんな話題から入っていけばいいのか」「会話が止まったらどうしよう」など、きっかけをどうつくるか考えすぎてしまい、結局言葉が出てこない…ということもありがちです。
実はこうしてコミュニケーションを語る私も雑談が苦手で、最初はテクニックを身につけようかと勉強したのですが、何を話そうか考えすぎてしまうため、すぐに諦めました(笑)
なぜ諦めてもいいと思えるようになったかというと、別の方法で相手の考えを引き出すことが出来ると思えたからです。
では、何が必要なのか。
それが、解釈の奥を探る(あいてに関心を持つ)ということでした。
あいてに関心を持つ
会話をする上で大切なのは、「あいてに関心を持つことですよー!」と聞いたら、「そりゃそうでしょ!」となるのは当然で、薄っぺらい話と取られて読むのを終わってしまうかもしれませんが、もう少しだけ時間ください(笑)
あなたの近くに”聴き上手”と言われる人はいらっしゃいますか?
この人と話してると、なぜかどんどん話したくなるとか、何を話しても受け入れてもらえてるような気がするという人がいたりしますが、この人は普通の人と何が違うのか。
特徴のひとつとして上げられるのは、解釈の奥を探るのが上手いということです。
例えばこんな会話があったとしましょう。
最近あのレストランに行くのハマってるんだよねー。
ハンバーグ!いいね!俺はチーズがのってるのが好き。あなたは?
この会話だと、Bさんが「レストランにハマってる=ご飯が美味しいからハマってる」と思いこんだ前提で話が進んでいます。
そして、知らず知らずにBさんのペースで会話が展開してしまい、Aさんが本当に考えていること、感じていることを聞くのが難しくなっています。
では、こんな感じで進めてみたらどうでしょう?
最近あのレストランに行くのハマってるんだよねー。
お店の雰囲気が抜群によくて、落ち着くのさー。
隣との間がしっかり取られてて、ゆったりしたジャズを聴きながらすごせるのがいいんだよねー。
どうでしょうか?
Aさんの考えがはっきり出ているのが分かるでしょうか?
思い込みを捨てて、Aさんの話をしっかり聴けているのが分かるかと思います。
なぜこんなことが出来ているのか?
それは、コトバの扉を開くということをやっているからです。
コトバの扉を開く
この「コトバの扉を開く」というのは、どの言葉を選ぶかというのが大切で、解釈で話していることをオープンクエスチョンで聴くというのが大切です。
【オープンクエスチョンとは?】
簡単に言うと、5W1Hを使うことで相手が自由に発言できるようになる聴き方のことをいい、反対に「はい」か「いいえ」でしか答えられない質問の仕方をクローズドクエスチョンといいます。
では、言葉の選び方はどうかと言うと、文節で区切ると選びやすくなります。
※専門的には違いがあるかと思いますが、ご了承ください。
【文節区切りの例】
最近/あの/レストランに/行くの/ハマってる/んだよねー。
この文節の中で、どこを深堀りするか選ぶわけですが、文節の最後に「っていうのは?」をつけると分かりやすいです。
例えば、「レストランっていうのは?」と聞くと、レストランの情報が出てくるでしょうし、「行くっていうのは?」と聞くと、どう答えたらいいか違和感が出ます。
ここでベストチョイスになるのが解釈の部分になり、「ハマってるっていうのは?」と聞くと、相手の考えが出やすくなるということです。
これを繰り返していくと、相手が何に関心を持ち、何が欲しいのかが明確になっていく上に、自然と会話が成立していくということになります。
実際に開発に関する打ち合わせの内容に落とし込むと、一例としては、こんな感じになります。
もっとユーザーが使いやすい入力フォームが欲しいんですよね。
現状だと、選択項目が7つもあるんですが、これを5つに絞りたいんです。
いいですね。絞ることで何を得たいんですか?
選びやすくすることで、もっとユーザーの考えてることを明確に知りたいんですよ。
今回は分かりやすいように入力フォームを取り上げましたが、この方法を身につけられると、どんな場面でも使えますので、ぜひ覚えていただきたいです。
いらないものを確認する
先ほどは、何が欲しいのかの情報を得るためのノウハウをお伝えしましたが、逆を確認することも大切です。
例えば、いろんな開発を経験していくと、「こういう風にしたらもっと便利だよなー!」というのが思いつくようになっていくのですが、その思いつきを勝手に入れたことで、ありがた迷惑になることがあります。
「これすっごい便利なんですよ!」と言って提出したら、「いや…これはいらない…」となると悲しいですよね。
こちらが便利だと思ったとしても、相手がそう思うとは限らないということはよくあることなので、思いついたことがあれば都度確認して、入れるかどうかをチェックする癖をつけましょう。
まとめ
ここまで学んできたことは以下の通りです。
1.磨くべきは「コトバの扉を開くこと」!
2.相手の解釈を分かったつもりになるのはやめよう!
3.自分が一方的にいいというものを押し付けるのはやめよう!
相手(お客様)の考えを聞いて確認するという作業はこのような形で出来ますので、ぜひ実践の場でも使ってみてください!